120120
仙台方言の文章が届きました

被災地への絵本寄贈プロジェクトが始まっています。
親を亡くした子どもさん向けの絵本と
子どもを亡くしたお父さん、お母さんのための絵本。
この2種類は、南部方言、仙台方言、福島方言でも
対応しようと考え、宮城県の石巻にお住まいの
お母さんに文章をお願いしていました。
ご本人も、ちょっとのところで
津波からお子さんと一緒に逃れたという
生々しい経験をされています。
そのお母さんが、普段の浜言葉に直して
送ってくれました。

以前、津軽弁の文章を作成したときも
同じ印象を持ったのですが、
方言は文字で書くと、味わいが半減してしまい、
本来は、やはり耳で聞く言葉なのだと思います。
それと、語尾に特長が色濃く出るんですね。

例えば、
残念だけど→残念だげっど
待っていました→待ってだんだ
憶えていますか?→憶えでっか?
・・・このようになります。

両親を亡くされたお子さんが
お父さんやお母さんのことを
一言も口にしない、と聞きました。
ご両親に声をかけることができない、
その「不存在」を認めたくないし
受け容れたくないのだろうと思います。
精神・心理の専門の先生たちは
まず現実を受け容れさせないと、
前進の一歩を踏み出せないと述べています。
「大切なわが子へ」の特別版は
その「不存在」を受け容れつつも
心の中に、ずっと「存在」していることを
認識してもらおうという意図で、文章が練られました。
ですから、違和感なく、お父さんやお母さんの
「普段着」の言葉で音読してほしいのです。

絵本寄贈の告知がまだ行き渡っていないため
実際に手に取って読んでくれた子どもが
どのような反応か、まだ分かりません。
少しでも、心の重荷から解放されてほしいと
切に願っています。