120111
久しぶりの映画鑑賞

本当に久しぶりに映画を観ました。
よって、今日の日記は鑑賞・感想文です。
題して「年寄りたちと若者たち」です。

若者たち ザ・ブロード・サイド・フォー1966

年末近く、あるコピー機会社の営業担当者の方が
捺印の必要な書類を持って来てくれました。
本社で定年を迎え、今は再雇用社員として
神奈川支社で働いている方です。

私の出身校がお茶の水だったといったら
「人生劇場、ご存知ですか?パチンコ屋の。
喫茶・さぼうる・・・いや、私、高校が九段高校で
神保町をうろついてたんですよ」
とまあ、話がとんとんと弾んだんです。
「若者たち、ご存知ですか?」
いきなり、そんな話題になりました。
「ええ、佐藤オリエに山本圭ですよね。
『君の行く道は、果てしなく遠い・・・』」
と、最初の一節を口ずさむと、彼は続きを歌い出すんです。
「なのになぜ、君は行くのか・・・」
彼は続けました・
「実は、あの映画に、私も出てるんですよ。
栗原小巻が出てるシーンで、後ろの方で
掲示板に新聞を貼ってる役なんです」

でまあ、もののはずみでDVDをお持ちしますと言われ、
翌日、全三巻のセットをわざわざ持って来てくれました。
ちゃんとご丁寧に、自分が出演しているシーンを
紙に印刷して、一緒に持って来てくれたんです。

テレビドラマは観ていましたが、
改めて映画を鑑賞して、大変できのいい作品だなと
とても、感銘を受けたんです。
1967年公開の作品ですから、私は高校1年生。
今、60歳前後以上の年齢の方しか
記憶にない映画だと思います。
でも、脚本、演技、カメラワーク、どれをとっても
丁寧に作られた秀作でした。

何よりも驚いたのは、出演者の顔ぶれです。
田中邦衛、橋本功、佐藤オリエ、山本圭、松山省二の
五人が兄弟で、他に、栗原小巻、小川真由美
石立鉄男、井川比佐志、大滝秀治、江守徹 他、夏桂子
いやあ、大変なものでした。

時代小説では、藤沢周平作品が好きなのですが、
どことなく似通った印象を受けました。
ぎりぎりの領域で生活する庶民を視野に入れ、
苦悩や葛藤を暖かく見守っている作風ですね。
脚本家も監督も、血の通った方々だと思います。

久々に、映画の良さを堪能しました。
営業マンの彼は、当時髪がフサフサしていますが
今は、残念ながら跡形もありません。
学生時代、児童文学研究会に所属していたそうですが
もしかして、進むべき道を間違えて
一流企業に就職してしまった方かもしれません。

「70年安保」という言葉には
独特の特別な意味合いを感じる同世代です。
四十数年ぶりに旧友に再会したような
嬉しい気持ちでした。