111118
人間はどこまで変われるのだろうか

ときどき思い出す言葉があります。
「人間は、知らないことはできない」
という言葉です。
その意味するところは、たとえば
車の運転の仕方を知らなければ
車を運転することはできないように、
覚醒剤などの薬物を入手して常用した経験がなければ
覚醒剤に走ることはないし、
未経験の悪習慣に迷い込むことはない、
ということを意味します。

つまり、人生で人から虐げられたり、恨まれたり
だまされたり、傷つけられたりという経験がない人は
人を虐げ、恨み、だまし、傷つけるという方法自体を
知らないために、結果として「おっとりしたいい人」
に育つということなのでしょう。

一方、何度も犯罪を犯し、その度に刑務所生活を
繰り返してきた人は、いわゆる保護観察期間などと
いわれるように、再犯の危険性があると見なされます。
実際に少年院に入り、その後更生したという
パーセンテージは、かなり低いようです。

人は、良い方向にも悪い方向にも変わることができます。
人間の中心軸に存在し、人間の生き方を左右するのは
「心」であるというのが持論なのですが、
その辺りのテーマになると、もうアカデミックな
講義を聴くよりも、無私の精神で相手にぶつかるしか
局面を打開する方法がないのも事実だと思います。

多くの日本人は、それを理解し受け入れる素地を
国民性として持っていると思っています。
しかし、一方で、他国には
そこにつけ込んで利用・悪用しようとする
素地を持つ国民性もまた厳然として存在するわけであり
かくも人生というのは、なかなか複雑であって
楽観、悲観、厭世、達観を巧みに織り交ぜた
生き方が必要とされているのです・
・・・なんか、禅問答のようになってしまいました。