110927
映画も観ない生活

さて、最後に観た映画はなんだっけ?
映画業界の皆さんには大変申し訳ないが
とんと思い出せない。
アンソニー・ホプキンスが演じた
リチャード・ニクソンの映画だったかな?

映画はある種の疑似体験であり
洞察力や想像力を高めるのに役立つが
日常生活から別世界に身を置ける、
つまり、現実の煩いからしばし遠ざかれるのが
大きな魅力なのではないだろうか。
来る日も来る日も、肩にのしかかる
現実の重みを、始終感じて生きていたら
精神的に参ってしまうだろうし。

それと、映画は読書と違って
文字を読んで、脳内で映像化する必要がない。
それどころか、俳優さん達がその演技力や
セリフと表情で、ぼけ〜っと観ていても
内容を伝えてくれる。さらに、
そのシーンに合った効果音楽が流れるという
まさに至れり尽くせりの総合芸術だ。

日常生活で、気の重いことが起きたときに
突然どこからか、チャイコフスキーの悲愴だとか
ショパンの葬送行進曲なんかが流れ出したら
余計に参ってしまうだろうと思う。
要するに、人生というのは、忘れることも
大切なのだと思っている。
過ぎ去ったいやなこと、つらいことを忘れることができず
いつまでも鮮明に覚えているとしたら
こんな悲劇的な人生はないだろうし・・・。

たまには、映画とか音楽に没頭するのは
必要なことなんだなと、改めて思っている。