110629
無関心な人々

そういえばまだ学生の頃(1970年代)に
寮生の誰の部屋に行っても、本棚には
イタリアの作家モラヴィアの「無関心な人々」という
本が、必ずあったように思う。

当時は、カミュにすっかり傾倒していたので
とうとう「無関心な人々」は読まないまま
今日に至っている。

政治や周囲に無関心で過ごせた時代も
そろそろ終わりを告げようと
しているのではないだろうか。
時代の流れと共に、世界構造が変化している。
しかし、大概は人に知られないように
そっと闇の中で行動しているので
余程取材能力のあるジャーナリストでなければ
その変化をかぎ分けることは難しいのでは
ないだろうか・・・いや、それ以上に
肥大化したマスメディアは、「企業の利益」の
本質を見失い、大衆を誤った方向に
導いていることを、敢えて黙殺しているのではないだろうか。
極度に分業化された大規模の企業構造では
みんな自分に与えられた部分をこなしていればいいのであり
結局、誰も本質的な責任ある行動を取らなくていい
風潮になってしまっているのではないかと
危惧する昨今である。