110627
いたちごっこ

「紙に印刷された本」と「電子書籍」の行方について
現場からちょっと考えてみました。

「紙に印刷された本」の注文が書店さんから来た場合、
もちろんそれなりの規模の出版社でしたら
倉庫業者に納品から返品引き取りまで委託しますので
出版社内での作業といっても、そんなではないはずです。
でも、わが社のような零細な出版社だと、そうはいかない。
何枚か複写になった納品伝票に、出版社名、取引コード、
注文区分、書名、本体価格、正味などなどを記入し、
注文品をまとめて、取次会社に納品します。
誰かに頼もうと思っても、少人数ですので
みんな顔つき険しく、それぞれの仕事をしています。
で、諦めて自分で納品作業をするはめになります。
でも、せっかく送り出しても、キャンセルになったので
返品したいとかいわれると、はいどうぞ、となってしまい
返品送料まで負担しなければなりません。
ときに、空しくなることもあります。

電子書籍は、最近のニュースを読む限りでは
思ったほど売れてはいないようです。
端末が違っても、機能が一緒ならいいんでしょうけど
それぞれ方式が異なり、商品購入方法もそれぞれ。
で、SONYのREADERやAMAZONのKINDLE、そして
SHARPのGALAPAGOSなどは
文字を読むための端末に特化していますが
個人的には苦戦中ではないかと見ています。
私自身は、APPLEのIPADを使用していますが
「何かと便利」に活用できています。
GOODLE系のANDROID端末も同様に
文字、画像、動画、音声まで対応しており
応用範囲は広いと考えています。

電子書籍市場を目指して、雨後のタケノコのように
にょきにょきと、いくつもの販売会社が誕生しています。
しからば、圧倒的に資本力のないわが社は
電子書籍の出版を諦めたのか?
いえいえとんでもありません。
あれこれ考えているだけです。
でもね、最初はまず考えなくてはいけません。
次いで、感性力でインスピレーションを受ける。
次に、周りを見渡して、ああナレーションは
理恵ちゃんに頼もう、音楽のアレンジは智子ちゃん、
写真が必要なら玲子ちゃん、イラストは友子ちゃんかな?
とまあ、どういう訳かみんな女性なのですが
大体こんな電子書籍だろうな、という構想は
ほぼ固まってきているんです。

もう少し時間的な余裕ができてきたら
一歩前進できると思いますので、乞うご期待。