110316
この子の名前はクレモンティーヌ

*このブログにはアップル社から、一切の広告協賛金が出ていません。それと、この子はドゥーヴィルの姪のクレモンティーヌとは、まったく関係ありません。

生後20ヶ月のクレモンティーヌが、
見事に操作しているのはiPadだ。
もうじき生後60年になってしまう昼寝ネコが
四苦八苦して操っているのも、同じくiPad。
同じiPadでも、年齢相応に使い分けられるものなのだ。

非常時のささやかな通信インフラの構築に
悪戦苦闘していたが、実験は見事に成功した。
docomoの、3G用USB通信モデムからフォーマカードを抜き、
NTTの光リンクというWifi環境を作る機器に差しこむ。
もちろん、3Gは月額定額契約なので使い放題だ。
iPadには、あらかじめSkypeをインストール。
とりあえず、日本国内の固定電話およびSkype電話と
実験通信が成功した。念願の環境だった。
Skypeは、世界中と定額で通話できる契約なので
停電時でも3Gがつながる環境ならば
バッテリーが生きている限り
文字通り「どこでも電話」となる。
かなり災害に強い、通信環境だと思っている。

さて、時事通信社の報道によると
【米シンクタンク、科学国際安全保障研究所(ISIS)は15日、
声明を出し、福島第1原発事故の状況が
国際原子力事故評価尺度(INES)で2番目に深刻な
「レベル6」に近く、最悪の「レベル7」に
達する可能性もあるとの見方を示した。】
だそうだ。

フランス人の日本脱出用に、フランス政府が
エールフランス航空にできる限り臨時便を飛ばすよう
要請したと、一般メディアでも放送されているようだ。
米軍関係の家族が、日本脱出を始めたとも聞いている。
首都圏在住の皇族だけでなく、政府関係者の一部も
こぞって東京を脱出しているという噂が駆け巡っている。

私は、今日も川崎市内の自宅にいて
のんびりと仕事をこなしている。
放射能汚染に対処するため、雨合羽を探したら
イトーヨーカ堂で売っていたので買いに行き
ついでに、今頃になってカセットコンロを購入した。
カセットは一人2点までという制限があった。
金物屋さんに寄ったが、チャッカマンも昨日で売り切れ。
たばこ屋さんに寄ったら、100円ライターが
たくさん陳列されていたので、5個購入した。
避難したくても、米寿の老母を捨てていけないので
古屋にこもっての持久作戦に切り替えている。
昼寝ネコ流放射能汚染対策という
非常に原始的な方法で対応する予定だ。

福島の原発がメルトダウンに至る過程の、
かなり深刻な状況だから
関東圏から脱出するようにという勧告が
地震が発生したその日にあった。
非常に信頼のおける筋からの勧告だったので
当然検討した。
でもまあ、いろいろ考えた末
最悪の場合は潔く死ぬ道を選んだ。
「武士道と云ふは死ぬ事と見付けたり」
という感じで、ある意味では非常にすっきりしたものだ。
でもね、街を歩いていると、何も知らされず
一生懸命仕事をしている人たちが沢山。
ああ、わが人生もこれまでか、と考えると
情けなさと無念さで、はたと落涙したものだ。
だけど、別に早々と白旗を上げたわけではなく
ここからしぶとく、ゲリラ作戦で
文字通りのサバイバルを実践するつもりだ。

日頃から公言しているのだが、
危機的状況で最悪の事態を引き起こす
一番の原因は、自分自身がパニックに陥ることだ。

旧約聖書の創世記18章の後半をご存知だろうか。
ソドムとゴモラの町が不品行で満ちあふれ、
滅ぼされようとしたときに、アブラハムが
主にしつこく質問した光景が思い出される。
「この町に50人の正しい者がいても
悪人と一緒に滅ぼすのですか」
「正しい人が50人いたら、滅ぼすことはしない」
「では、45人だったら滅ぼしますか?」
「いや、滅ぼすことはしない」
「40人だったら?」
「滅ぼさない」
「怒らずにお聞きください。もし30人だったら?」
「いや、滅ぼさない」
「では、20人だったら?」
「滅ぼさないだろう」
*アブラハムって案外しつこい人だったようだ・・・。
「怒らずにお聞きください。もう一度お聞きします。
もし、10人の正しい人がいたらどうされますか?」
「その10人のために滅ぼさないであろう」

このお話しを思い出して、東北から関東にかけて
膨大な数の「正しい人」が存在するのだから
最悪の事態に至り、全ての人が滅ぼされることは
ないだろう、と勝手に楽観的に思っている。
今現在、数万人の方々の死亡が予測されているが
なぜ、そのような事態になったのか
それは人知で計り知ることはできまい。

人の失態を責めることは容易なことだが
今はただ、なんとか生き延びて
飽きるほど大福と饅頭を食べることに
希望を見いだし、したたかに生き延びようと思っている。