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絵本がなぜ必要かの説明と協力のお願い
(ホンジュラスの障がい児のために)

 私は、2009年3月からJICAシニアボランティアとしてホンジュラスに派遣されています。ホンジュラスは中米の真ん中に位置する小さな国です。国土のほとんどが山林で、北にはカリブ海、南には太平洋がちょっぴり接しています。一年中初夏のような気候で、バナナやコーヒーなどが栽培されています。治安は悪いのですが、多くの人はおだやかで親切、見慣れないアジア人種の私にも気軽に声をかけてくれます。

 私の職種は障がい児教育で、首都テグシガルパのフアナ・レクレルクという障がい児教育センターで働いています。フアナ・レクレルクは児童・生徒数約200名、職員50名、設立37年のホンジュラスで中心的役割を果たしている障がい児教育センターです。

 ホンジュラスではまだ障がい児が教育を受けられることが少なく、フアナ・レクレルクなどの教育施設で教育を受けている障がい児は、障がい児全体の5%に満たないと言われています。そんな中、フアナ・レクレルクでは通ってくる生徒達への教育だけでなく、市内の普通学校にいる障がい児のために巡回指導をしたり、地方へ行って障がい児教育の指導者講習を行ったりして、障がい児教育を広げる活動を行っています。

 私がフアナ・レクレルクで働き始めて一番初めに気になったのが絵本が教室に一冊もないということでした。もちろん、図書室などないのです。
 職場のコーディネーターに「絵本はとても大切だから買って欲しい」と言うと、何冊か買えるように手配してくれました。さっそく町の本屋さんに行って、子どもが楽しめるような絵本を探しました。が、一冊がとても高いのです。平均300レンピーラくらいします。コーヒー1杯15レンピーラです。1ヶ月の給料5500レンピーラでは、買うのが難しい値段です。メキシコやスペインからの輸入本がほとんどなのです。そして、本屋にも絵本がとても少ない。20種類あるかどうか。日本の絵本は質も量もすばらしい、と気づきました。

 そこでJICAや友人を通じて、不要になった絵本を何冊か日本から送ってもらいました。私のつたないスペイン語で翻訳して、授業で使ったり先生達に紹介したりしました。みんな絵本のおもしろさ、絵の美しさ、バラエティーに富んだ内容に、とても喜んでくれました。

 地方の障がい者支援センターにも絵本を贈りたいと思い、先日はサン・イグナシオという首都から車で4時間程度の村に行ってきました。ここでは10冊の絵本を紹介し寄贈したのですが、ショックなことに子どもに絵本を読み聞かせる、ということを指導者の皆さんが全く経験していないのです。
 考えてみれば、ちょっと前まで学校に行けず字が読めない方も多かった国です。絵本に親しむ経験などなかったことでしょう。絵本を手にとってもらい、そのおもしろさに指導者が気づくことがまず必要だ、読み聞かせの講習もしようと思いました。

 絵本をもっともっと紹介したい、子どもがいつでも手に取れるようにしたい、と思うのですが、絵本はまだまだ足りないと思うのです。そこで、今後も不要になった日本の絵本をスペイン語に訳してホンジュラスに贈ることを続けられないだろうかと思い、ご協力をお願いする次第です。

 絵本を集める、スペイン語に翻訳する、絵本にスペイン語を貼り付ける、といった作業、並びにホンジュラスに絵本を送る、ということを日本でしていただけたらと考えています。
 ホンジュラスでの受け取り先は、私の配属先JUANA LECLERCを考えています。ここを中心に周辺の障がい児センターにも送られることでしょう。

 日本の皆さんにホンジュラスの現状を知っていただき、関心を持っていただけたら、こんなにうれしいことはありません。ご理解のうえ、ご協力をお願いいたします。

千田みかさ

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